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災厄を呼ぶ男 vs 狂ったおっさん
まだ24か25歳の頃、おれはとある地方都市で勤めている会社の寮に住んでいた。
その頃の話。

ある夜、おれが布団で眠っていると誰かがガラリと部屋の扉を開けて入ってきた。
寮生活をしばらく続けると、仲の良い同僚も出来るし、部屋の鍵も開けっ放しにすることも
しばしばあるので、ああ誰だろう?と思いつつ眠気に勝てずそのまま寝ていた。
するとそいつは、もぞもぞとおれの寝ている布団に入ってきた。
そして横向きに寝ているおれの背中に何やらずりずり擦り寄ってくる。
うわ~っ、何だよこいつ、気持ち悪いな~と思ったものの、眠気に勝てずおれは寝ていた。
それでもすりすり背中や尻のあたりに擦り寄ってくるので、腹に据えかねたおれは、
寝たまま肩を軸にして三沢光晴ばりのスピンエルボーを顔面にぶち込み、
痛がっているそいつの腹を蹴飛ばして、布団から突き出し、そのまま壁に追いやった。

そいつは汚い作業着を着た見たこともないおっさんで、おれは誰だ?こいつと思ったものの、
うずくまって動かないおっさんを相手にすることもなくもう一度寝た。

しばらくすると畳を這いずるような音とともに布団に潜り込んでくる肉塊を背中に感じる。
うわ~またかよ、こいついい加減にしろよ!と思ったところで、おれは気付いた。

おれ、眠たいから一回も眼を開けてない。なのになんでおっさんってわかったんだろう?
その時、こいつ人間じゃないなと冷静に思った。
ある面では頭は冷静だったが、一方、というか大部分で戦慄を覚えた。恐怖といっていい。
繰り返し背後でもぞもぞ蠢く存在にしばらく耐えていたが突然何かがはじけておれはキレた。

心の中で3・2・1と唱え、思い切り布団をめくると、一気に立ち上がって、そいつの髪の毛を掴んで引きずり、ベランダのサッシを勢いよくあけると、おっさんを蹴り出しそのままの勢いでベランダから突き落とした。
部屋は4階、ドサッと何かが落ちる音。

普通に考えれば、人を突き落としたのだから大事件だが、その時のおれは全く冷静さを欠いており、しかも人間ではないと思い込んでいるので『せいせいした』くらいに考え、サッシを閉じて布団に戻った。

その後しばらくは眠ろうとしていたが、妙な音で眼が冴える。
ベランダの外、下のほうから何やら粘着質のヌチャッ、ヌチャッという音がする。
うーん、何だろう?と半分眠った頭で考えるも答えはわからない。
ヌチャッ、ヌチャッ、段々音が近づいてくる。ヌチャッ、ヌチャッ。
何かが壁を登ってきてる音だ!と気がついたおれはバッと飛び起きベランダの外を見た。

月光を背後から受け真っ黒い人間の影がベランダの手すりの上に、まるでカエルのように座っている。
その眼だけが、ギラリと光り部屋の中のおれを見ている!

ギャーッ!

という夢をみました。
# by toe_315 | 2009-05-10 23:49 | 何も思ってない
あのアレを鳴らすのはあなた
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小学生の頃、隣のクラスに鼻と耳の骨(?)の音を鳴らせる奇特なやつがいた。
指の骨とかを鳴らした時に出る音に近いんだけど、それよりはもうちょっと高音で、
耳をそばだてて聞くと『パキッ!』と小さな音がする。
おれはその芸というか、業にかなり感じ入ってしまい、
『おれも鳴らしたい!』と強く願うようになった。

それから時々、練習していた。多分、4・5ヶ月はやってた。
すると、ある日おれの鼻からパキッと小さな骨の音。じんわり痛い鼻の骨。
やった!ついにおれは鼻の骨を鳴らすことが出来た!うれしかった。
よし!今度は耳の骨を鳴らすぞ。両方鳴ったらあいつにみせよう、と思い練習するも耳の骨はどうしてもならない。とゆーか耳に骨なんかあんのか?どこをどうやったら鳴るんだ?
悔しいが、どうしても鳴らしたかったおれは、そいつに耳を鳴らすコツを聞きに行った。
すると、そいつはあきれた顔で
『あれ、口で音出しててんけど』とバカを見る目で云った。
おれはかつがれていたのだ。
かつがれていたにも関わらず、おれは本当に鼻の骨の音を鳴らしてしまった。

夢は信じれば叶う!

野茂英雄は兵たちとの斗いを夢見、海を渡って世界のNOMOになった。
谷亮子は誰よりも強くなりたいと願い、YAWARAになった。
SIAM SHADEはビッグスターになりたかったが、1/3も伝わらなかった。
おれは、おれはただ鼻の骨が鳴らしたかった!

そんなおれの鼻もかつての鼻骨骨折で骨がぐちゃぐちゃになってしまい、三沢光晴ばりに指で押すと鼻がベチャーってなってしまうので、今はもう鳴らない、というのは嘘で今でも小さな音でパキッと鳴る。

今日、イラン人女性が日本の文学賞を獲ったというニュースを聞いてそんなことを思った。
# by toe_315 | 2009-05-09 00:12 | アレな日々
アレ?部屋の鍵?
アレ?部屋の鍵?_b0056130_2372957.jpg

旅館での出来事。
息子が部屋の鍵をカジカジ、ナメナメしているので、別にどってこと無いけど、
誰が触ったか、どんな保管してるかわからんもんを口に入れるのもアレだな~、
まあ金属の味が旨いのは何となくわかるんだけど、
『鍵!舐めちゃダメ』と叱った。のが、いけなかった。

ウチの息子は遊んじゃいけないもので遊んでて、それを叱るとそのブツを隠す癖がある。
で、案の定鍵を隠される。
結局、鍵は押入れにあったし、どのみち部屋から出てないから、
いずれ部屋の中には、必ずあるので問題は無いのだが、
サァ温泉入るぜ~、チャラ~ヘッチャラ~♪とか云って、
いい調子になってるところで部屋鍵が無いとなるとテンション下がる。

今日はもうちょっと食べたいし、お茶碗半分くらいお茶漬け食べたいな~と思って、
お茶碗にご飯よそって、お湯沸かして、急須に茶っ葉入れたところで、
お茶漬け海苔が切れていたことに気付くくらいテンション下がる。
お母さん!お茶漬け海苔きれてるって云ったでしょ!って人のせいにしたくなる。

そう、ホントはおれが悪いの。貴重品、危険物は高いとこに置く!コレ鉄則。
あと、プールの後はわざと髪を半乾きにする。コレ色気づいた高校生の鉄則。
濡れた髪を初めて見せた夜、心が泣いた。
# by toe_315 | 2009-05-05 23:30 | アレな日々
長野県は子どもをおぶった幽霊のカタチ
2泊3日で長野に行く。
かみさんと息子を母方の祖父母に会わせるためだ。
80代半ばの祖父母に会うのはおれも7、8年ぶりだ。
とても喜んでくれた。また会えるだろうか?

1日目は祖父母宅から1時間ほどの所に住む親戚宅に泊めてもらう。
訪問するのは25年ぶりくらいだ。
結婚して子どもが出来、常に金欠だと、ドあつかましくもそんなほぼ疎遠の親戚に、
泊めてくれと平気で言えたりする。面の皮の厚さが電話帳並み。
それでも歓迎してくれる田舎の親戚に感激する。パスタに感動する乙女並み。
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2日目は長野南部のとある温泉宿に泊まる。
早朝、目が覚めてまだかみさんも息子も寝ているので、温泉街を散歩に出ると、
『落合ロード』なる看板に出くわす。
そこは現役時代の落合博満が三冠王目指して自主トレで走った道らしく、それを由来として、
そのコースを『落合ロード』と名づけたらしい。
看板には若かりし頃の落合が息子の福嗣を肩車してプールを歩く負荷トレーニングをしている面白写真が掲示されていて、それを見て早朝からいい気分になった。
早朝ゆえに写真を撮るものを一切、所持していなかったことが残念。

その後は旅館を出て一時間ほど車で走ったところで旅館に忘れ物した事に気づき取りに帰ったり、息子が車に酔ってレンタカーにゲロぶちまけたり、良い思い出が出来た。
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名古屋でレンタカーを返す時のことだが、レンタカー屋のおっさんは良い人で、
息子がバタバタウロウロするのを見ててくれて、
『旅行楽しかった?』とか『新幹線乗るの?いーね』とか言ってあやしてくれるのに、
おれが息子のゲロでチャイルドシートが汚れた件について謝ると、とたんに表情を一変させ、
『はあ?』みたいな冷たい返事をする。
あれ?聞き違いかなと思い、その後何回か謝ったが、その度に、
『しつこいな、もう云うんじゃねえよ』みたいなリアクションされる。

ど、どういう人格なの、この人?と思った。
# by toe_315 | 2009-05-05 00:01 | 二足歩行
思わず口をついて出るアレ
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先日、以前勤めていた職場の同僚と飲んだ。
おれはよし!今日は前の職場の愚痴言うぞ!あることないこと言うぞ!
と、思っていたのだが、その二人はもう済んだ事より今とかコレからのこととか話したかったようだ。実に建設的で素晴らしい。本気でそう思う。
それにしても、悪口になったら必死でしゃべって、それ以外の話題はだんまりって、
551の蓬莱か、おれは。ある時~、ない時~か!恥ずかしいよ。

自分は誰かへの悪口、陰口、妬み、嫉みが好きだ。
もう認めざるを得ない。そういう下衆な人間だ。ゴミ人間だ。ゴム人間だ。海賊王にならして。
おれは基本的に無口で、よく知らない人とはうまく話せない。何を話せばいいか判らない。
けれどもこれがこと悪口となると、途端に次から次へと言葉が沸いてくる。
いつもこの腐れ思考回路をなんかプラスの方向に回せないものかと思うが、
どうもそういう具合にはこのはげ頭は出来ていないらしい。

ただ、絶望的に暗かった高校時代には、
3語に1語は『みんな死ね』と言いながら人を呪う方法を思案していたことを思えば、
相当ましにはなってるけども。

まあ、そんなええ加減そうなおれでも、しょうもない裏切りとかは嫌いです。
# by toe_315 | 2009-04-29 00:52 | アレな日々